1.復習 ココロの正体はポチ
ヨガ哲学の続きです。ココロの正体は私ではなく、「ポチ」という別の生き物。この「ポチ」をしっかりと躾けすると、ポチ(ココロ)が反応したものに、飼い主(カラダ)引っ張られることがなくなります。ポチを制御することで怒鳴ったり、手が出たり、文句を言ったりすることを減らすことができるというお話でした。
2.ポチを躾けるための方法
そのポチを制御するのに必要な対策が「所作を丁寧にすること」でしたね。カラダをゆっくりと動かすことで、ポチが容易に発動することを抑えます。カラダからココロへアプローチするのです。何かに没頭していたとき、頭の中が空っぽになっていたという経験をしたことがあると思います。今動いている手足に意識を集中して、ポチが働くスキを与えないようにします。
3.カラダの正体は?
さて、ポチを躾けるために使うカラダ。このカラダは誰のものでしょうか?
ココロは自分とは違う生き物「ポチ」でした。カラダは私のものでしょうか?
正解は私のものではありません。
カラダ(肉体)は「魂の乗り物」と言われています。は?急にスピリチュアル、宗教的・・そう言わずに、もう少し読んでくださいね。
4.カラダは何でできている?
私たちの肉体はどうやって作られているか考えてみましょう。
よくカラダは食べたものでできていると言われますが、その食べ物は全て自分で作ったものでしょうか?
答えはノー。誰かが育てたり栽培してくれたもの、畜産してくれたもの。またその技術を発展させるために、様々な人が関わり、時間とお金をかけて作り上げられたもの。そして、肉も野菜も他の生き物の命そのものであるということ。
つまり、このカラダは自分で作ったものではないので、自分のものではありません。様々なものに支えられ、与えられているもの、いわば借り物です。借りてるものは大切に扱わないといけません。いつかお返しするその時まで、長持ちするように日々ケアしなければいけません。というのがヨガの考え方です。
5.命は循環している
以前こんな興味深い話を聞きました。亡くなって火葬されたとき、天高く舞い上がった故人の灰は、二酸化炭素となって大気中に放出されます。地球の上の10kmの大気圏で均一に拡散されたとしたら、地球上のどこであっても、1リットルの大気中に故人に由来する炭素が12万個含まれているそうです。私たちが生きるためにしている呼吸で吸い込む空気には、誰かのカラダだった炭素が含まれているかもしれません。
また、生きていると爪が伸びます。その爪を切りました。切った爪は、ごみになり燃やされて、どこかで肥料にされ、野菜が育てられ、その野菜がスーパーに並べられ、誰かが買って食べる。私の爪が私じゃなくなって、誰かの食料になる。こんな循環が繰り返されています。頂いた命で作られているカラダということを感じられますね。
6.カラダの役割
このカラダは私たちの魂にいろいろな経験をさせてくれるために存在しています。美味しいものを食べたり、気持ちよくお風呂に入ったり、大好きな人を抱きしめたり、誰かを褒めたり、、
せっかく使わせてもらうなら、人の役に立ったり、愛を表現したり、幸せを感じたり、努力して成長したり、そんな使い方をしたいですね。決して、怒鳴ったり叩いたり、そんな使い方はしたくないと私は思いました。
そして、この身体があるのは、ご先祖様が命をつないでくれたから。私たちの両親、両親の両親と10代遡るとご先祖様は1024人になるそうです。この中の誰かが変わっていたら私たちは存在していません。
様々な体験をさせてくれるこのカラダを作ってくれた、他の生き物、食べ物を作ってくれる人、売ってくれる人、ごはんを作ってくれる人、ご先祖様、たくさんの感謝が溢れる、そんなお話でした。