よくヨガクラスのときに、「日頃外に向かいがちな矢印を、この時間だけは自分に向けましょう」と話をしています。
私達の日常は、仕事や家庭で、人のことを気にして、人の言葉に振り回されて、人の世話をして、人の機嫌をとって、人のことばっかり。
このヨガの時間だけは、自分のことを考える。自分の感覚に意識を向ける。自分のカラダの伸びを感じる。自分のココロの声に耳を傾ける。そんな時間にしてほしいと思っています。
そんなお話をしている私ですが、つい最近までの私の頭の中は、外の世界に意識が飛んでばかりでした。
ヨガの先生になり、ヨガで食べれるようになりたいと思い、お客さんを集めたい、もっとたくさんの人に知ってもらいたい、もっとすごい人になりたい、もっと健康的に、もっと魅力的に・・・
自分にない「もっともっと」に囚われていました。そして、自分の内側にあるものに目を向けることができなくなっていました。
私の内側にあるもの、それは家族や今の生活、何気ない日常、友人、今自分のクラスに来てくれているお客様。そこをしっかり見ることを忘れて、外にばかり向いていた日々はとても苦しく、自分を見失いそうになりました。
わかっていてもなかなか辞めることができないもので、走り続けていないと死ぬんじゃないかという強迫観念もありました。ワクワクが好きで刺激を求めたい性質の私は、外に向かっていきやすいタイプなのかもしれません。
自分にとって大切なものは何か、これは人生の問でもありますが、私は今の生活が保てなくなるかもしれないと思ったときに、とてつもない恐怖を感じました。
まさに、失って気づく大切なもの、です。この経験から、自分にとって大切なものは、もう自分の内側にあったんだと気づくことができました。
それでも、喉元をすぎれば・・・で、時折「もっともっと」病が再発しそうになります。自分が何者でないということが受け入れられず、特別に扱われたい、大切にされたい、もっと人気者になりたい、「もっともっと」欲は果てしないですね。
その度に自分の大切なものはなんだっけ?今あるものに目を向ける、自分の内側に意識を向けるということを練習しています。